SDGsとカナブン
カナブンと葛
自分も最近知ったのですが、カナブンの生態は比較的最近まで謎に包まれていた事をご存知でしょうか?
2011年、とある昆虫写真家の方が発見したそうなのですが、カナブンは葛の茂みを好み、その周辺で育つそうです。どうやら葛の腐葉土が幼虫の餌のようです。
しかし、そのカナブンの生態系に危機が訪れていると言います。
葛はくず餅の原料として知られています。しかし近年ではジャガイモのデンプン等で代用されることも多く、葛そのものの需要は低いようです。
そんな葛が群生している所を整地して、たくさんのメガソーラーが建設されます。
あちこちに生えてて、大した需要もない葛を気にかける事はありません。
たまたまなのでしょうか?葛の草むらがあるような何にも使われてない土地だからでしょうか?メガソーラーの数が増えるごとに葛の数が減っていきます。
カナブンにとっては洒落にならない速度で葛が減少しているようです。カナブンの幼虫の育成環境としては、葛であること以外にも、あまり湿っていない場所という条件が付くみたいです。ただでさえ限定的環境を必要とするのに、その候補地そのものが減っているのです。
SDGsって?
いつの間にかシレッと既知のワードであるかのような顔をしてそこら辺で見かけます。
一体何なんでしょう?
持続可能ななんたらかんたらと訳されても、いまいちピンとこない。
”企業のDX化”のように、もはやビジネスワードのように扱われています。
理解や浸透を求めるより、煙に巻いてお金を出させる魔法の言葉のように使われている気がします。
要は地球を食い潰すなって事ですよね?
このまま好き放題やっていると、地球上のあらゆる資源が枯渇する。
だからといって今ある文明を捨てて、原始的な生活に逆行するかと言われても、それもイヤだ。
だったら地球に無理のない発展を目指しましょう。
そして地球にだけでなく、そこに住む人達にとっても、優しくて豊かな環境を作りましょう。って事でいいんですかね?
本来言うまでもない事なのでしょうが、人類の合意した到達目標として喧伝することに意味はあると思います。
ただそれが形骸化しないのであればですが…
そうした取り組みの一環としてなのでしょう。決して儲かるからではなく、純粋に地球と人類のことを思って、メガソーラーの建設は進みます。
このまま原油価格が上がれば、売電価格も上がんじゃね?などという邪な考えを持つことなく、メガソーラーの建設は進みます。
じーさんばーさんが耕さなくなった畑ならどうせ余ってるし、月数千円ぐらい渡しときゃガッポリ儲かんじゃね?などという打算もなく、メガソーラーの建設は進みます。
UnsplashのAmerican Public Power Associationが撮影した写真
誰の為?
カナブンは思います。
「俺は守るものの中に入ってないんだ。」
陸上生物のおおよそ3分の2が昆虫もしくは節足動物だと言います。
その総数が一年あたり2.5%のペースで減少しているらしいです。
実に哺乳類や鳥類、爬虫類の8倍の速さで絶滅していることになります。
過去の地球の歴史に於いて、6度目の大量絶滅と呼ばれています。
過去5回に及ぶ大量絶滅の要因は何れも自然災害(氷河期等)か隕石の激突によるものです。
しかし今回に限っては、人間の活動が原因です。
花粉の媒介者の減少は食物危機を招く恐れがあります。
そうでなくても、昆虫が捕食するもの、昆虫を捕食するもののバランスが崩れ、生態系が変化します。
その結果は、生態系のみならず、人類の生存にとっても壊滅的なものになるだろうと予測されています。
将来の食糧難に備えて、昆虫食の開発が脚光を浴びていると聞きます。
しかし、昆虫も無限増殖するわけではありません。
何を守り、何を捨て、何を残すのか。
人類は考えなくてはいけない時にきている気がします。
そして一つ、確かなことがあります。
地球上の全生物に”滅んで欲しい種族は?”というアンケートを取ったら、人類がダントツ一位でしょう。
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