平和や豊かさと引き換えに失った物
ドラマ中のニュース速報
伝聞であって、真偽の程は定かではないですが、考えさせられるきっかけとなった話を紹介します。
2022年(本記事執筆当時)、北の黒電話は絶好調で、やたらミサイルを飛ばしてきます。おかげで(?)Jアラートと言う言葉を良く耳にするようになりました。当然のことですが、Jアラートが発生すればテレビでも緊急速報が入ります。その緊急速報に対してクレームが殺到するそうです。
「楽しみにしていたドラマのいいシーンが台無しだ」とか、「そんな報道はNHKに任せておけ」だとか様々なようです。
恐らくギャグではないので、驚きです。
こうしょっちゅう飛んで来ると、みんなの感覚が麻痺してしまうのでしょうか?要は、天気予報レベルの情報で速報流すなということなのでしょうか?
現代の日本人は平和ボケしているとよく言われますが、これでは言われても仕方がありません。
ミサイル < ドラマ QED
発射されたミサイルは、絶妙なコースだと聞きます。もう少し北だとロシアが、もう少し南だと韓国が黙っていないであろう丁度間を縫って発射されたとか。
その2国の領空ないし排他的経済水域は避けるべきだけど、相手が日本なら大丈夫という判断だったことになります。
舐められています。「どうせ何もして来ないだろう」若しくは「してきたとしても、日本なんてチョロいチョロい」のどちらかまたは両方です。
しかし残念ながら、黒電話の読みは正しかったようです。ミサイルが着弾する。不具合により落ちてくる。空中爆発した破片が降ってくる。そういった事が起こり得る状況も、ドラマのワンシーンの前では些末なことです。それなのに、毎回楽しみにしているドラマやバラエティーを中断するなど、心で舌打ちするぐらいでは許せない事態です。こんな非常識なテレビ局には、ガツンと言ってわからせてやる必要があります。
もし本当にミサイルが着弾したとしても、きっとそんなヤツは「ミサイル打ち込まれたぐらいでドラマを中断するな」って電話してくるに違いない。
もう、ミサイル当てちゃってもいいんじゃないかな、こんな国。
ニッポンの日没ぜよ
防衛省によると、2021年度のスクランブル回数は1000回を超えているそうです。
つまり、それだけの数の領空侵犯案件が発生しているのです。
そうした事実に目を向けると、太平洋戦争以降の日本の平和は手放しで手に入ったものでもなさそうです。それでも多くの日本人は、平和であることが当たり前であるかのように、気にも留めません。
日本は世界屈指の豊かで衛生的な国だと思います。それは平和あってこそのものなのではないかと思います。そしてこの平和が脅かされた時、呑気にドラマを見て感動したり、バラエティー番組を見て笑ったりなんて出来るでしょうか?
かつて日本は鎖国状態にありました。しかし日本の行く末を案じた有志たちが開国を成し遂げ、憲法を制定し、社会基盤を作りました。それこそ命を賭して。
そして開かれていく日本を見て、「日本の夜明け」と評しました。
彼らの見据えていた未来とは即ち現代です。今の日本は彼らが思い描いていたものなのでしょうか?
日本の未来は、現代の意思によって変化します。
集団主義的思想が個々の意思決定能力を低下させ、保守的思想が後付の理由で変化を拒み、只々消費し、浪費し、借金を肥大させ、それでもユルく生きる。
もし次世代に対する教育者であり指導者である私達のやっている事がそういう事なら、今の子供たちが持つであろう思想も、対峙するであろう未来も、きっとそういうものになるでしょう。
日出ずる国ニッポンの日が沈む時が来るのかもしれません。
カバー画像
UnsplashのFreeman Zhouが撮影した写真
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